奇をてらわず、素直な音のスピーカーを数多く発売していてファンの多いFOSTEXから7/23に待望のPM0.4cが発売されました。
今回はすでに発売されているFOSTEX機各種との比較により、PM0.4cの魅力に迫っていきます。
主な仕様
スピーカー部 | |
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エンクロージャー方式 | 2ウェイ・バスレフ方式 |
低音域ドライバー | 10cmウーハー |
高音域ドライバー | 1.9cmソフトドームツイーター |
再生周波数帯域 | 60Hz〜20kHz |
クロスオーバー周波数 | 1.6kHz |
アンプ部(R側のみ) | |
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入力端子 | RCA ピンジャック、320 mV(入力感度) |
定格出力 | 30W+30W |
歪率(THD) | 0.05%未満(2W出力) |
一般 | |
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電源 | 100-240V 50/60Hz |
消費電力 | 15W(通常動作状態)、0.5W以下(スタンバイ状態) |
外形寸法 | 130(W)×220(H)×169(D)mm(突起物含まず) |
本体質量 | 2.4kg(R側)2.1kg(L側) |
付属品 |
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電源コード(2.0m)×1 |
スピーカーケーブル(赤/黒、1.5m)×1 |
フォーン-RCAピン・ケーブル(1.5m)×1 |
ステレオRCAピンケーブル(1.5m)×1 |
現行機との比較
vs PM0.4n
モニタースピーカーの入門機としてのデファクトスタンダードとして長年君臨してきたPM0.4nから様々な点が変更されています。 (その後pm0.4dも発売されていますが、筆者は所有していないので割愛)
- 高さ・幅が1cm程度小さくなった
- フロントバスレフからリアバスレフへ
- ウーハー振動板が紙製からグラスファイバーへ
- 左右独立アンプ(バイアンプ)から片側アンプ方式へ
- デジタルアンプ化
- オートスタンバイ機能
こだわりでもあり、逆に欠点でもあった「左右独立アンプ方式」ではなくなりました。
実際「左右同じものを」ってコンセプトでのバイアンプ方式だったわけですが、そのバイアンプ方式の恩恵よりも電源が複数必要であるとか左右別々にボリューム調整という煩わしさの方が勝ってしまっていた感があります。
左右のバランスからくるごく微細な音の差よりも、使い勝手を優先したのは、個人的には良い判断だと思いますね。
フロントバスレフからリアバスレフへの変更は、広域と低域の分離感という意味では改良点になるでしょう。 どうしてもフロントバスレフだと「渾然一体」感が出てきてしまって、モニタースピーカーとしてはぼんやりした感じになってしまいます。
ただその分「背面の壁との距離感」を意識しないと、低域のバランス取りに苦労しそうです。
コーンの材質変更に関しては、PM0.4nの「紙コーン」が結構リバーブ感がわかりにくい感じでもあったので、今回のグラスファイバー製への変更でそこらへんが改善されてくれれば嬉しいところ。
実際PM0.3では、残響感がわかりにくい感じはあまりかなかったので、期待してもよいのではないでしょうか?
vs PM0.3
極端な音質だったり、DSPで音をいじっていたりが多い1万円以下の価格帯で、なにもいじらないそのままの音で勝負しているPM0.3。
省スペース性と高音質を両立した名機でしたね。
今回のPM0.4Cに関してはまさに 大きくなったPM0.3と言っていいと思います。
一個前のPm0.4dが、PM0.3の構造を踏襲しつつもバイアンプ方式だったのに対し、今回はアンプ構成自体もPM0.3と同じになっています。
PM0.3の低域はカタログスペック上は 110Hzから上(表記上は-3db)ということになっており、数値上は低域が弱いスピーカーなのですが、実際のところもっと下まで出ているので、大きさに割りには締まった低音に定評がありました。
PM0.4cは構造はそのままに大きさが増加したおかげで、下も60hz~となっていますので、余裕のある再生ができそうです。
まとめ
- 小さな巨人PM0.3ゆずりの締まった音
- 名機PM0.4nで培われたモニタースピーカーとしてのDNA
- 面倒な配線は極力簡略化
- オートスタンバイによる省エネ設計
という感じで、過去機の良い所どりのモニタースピーカーになりそうです。
感覚的には
PM0.4nから買い換えるほどではないけれど、初モニタースピーカーとして買うにはベストバイ
という感じですかね?
価格もサイズもPM0.4nよりほんの少しお手頃になっているので、まだモニタースピーカーを持っていない様な「ニコニコ動画の駆け出しミキサーさん」とかにはうってつけの機種になりそうですね♪
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